風の流れを生み出す
住宅において、窓開口を平面上対角に設置するなどの工夫により風通りのよい環境を生み出すことはよく知られていますが、それはあくまで風がある時の話。
無風状態や微風では十分な通風が期待できません。
また、都市部の住宅では建物間の距離が近く四方の窓により通風を確保ということが難しいことも多々あります。
そんな時に最近よく採用されるのが、ハイサイドライト(高窓)。
煙突内の暖められた空気(排気)が勢いよく上昇していくのと同じ現象:煙突効果を利用し下方から上方への空気の流れを生み出すことで、暖められた空気が自然に上昇していく力を利用して通風を生み出すという考え方で、外部が無風状態でも建物内に空気の流れを自然の力で生み出すことが可能です。
(煙突効果については「吹抜けを利用した自然換気」「吹抜けを利用した自然換気 続編 」をご覧ください)
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吹抜けを利用した自然換気
「煙突効果」という言葉をご存知でしょうか? 煙突内の暖められた空気(排気)が勢いよく上昇していくのと同じ現象を利用したもので、「縦に細長い空間を利用して下方から上方への空気の流れを生み出す」ことです。
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吹抜けを利用した自然換気 続編
前回掲載の「吹抜けを利用した自然換気」では煙突効果を紹介し、その効果を吹抜け空間に利用した自然換気の手法があるということを紹介しました。 今回の続編では私自身が設計を行った建物での「吹抜けを利用した自然換気」例をいくつか紹介します。
さて、しかしこのハイサイドライト、一体どの程度の効果が予想できるのか?
それを見ていきたいと思います。
ハイサイドライトの有効性
既存住宅のリノベーションにおいてハイサイドライトの設置を計画し、効果の予測を行うために実施したシミュレーションの例。

昼間に上階に溜まった熱気がこもり、夜間の上階での就寝が寝苦しいなんてこともありますね。その状況が改善されるのか?それを予測したシミュレーション。

風がある時についても、ハイサイドライトの効果によるより多くの通風が確保できるのか?有風下での風速シミュレーション。

実際に効果を体感
改修後3年近くなりましたが、建築主様にから「熱気だまりが無くなった」「夜間の通風が確保できている」とのお声を頂いています。
ハイサイドライトの設置により工事費はUPしますが、効果は上々。引き続きその効果を確認していきたいと思います。
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