指導することの難しさ

春より大学での非常勤講師での授業担当が4年目となります。今年度も3年生前期「大学施設」と2年生後期「集合住宅」の設計課題を担当しています。7/26前期最終授業で全体講評会が開催され、選抜された作品についてプレゼンテーションと諸先生方からの講評・批評が行われました。

グループから選出された案の模型

私が担当したグループから選出された案は案としては面白いものだと思いますが、図面表現の分かりにくさや建築的な詰めの甘さがあり、十二分にその良さが伝わらなかったと思います。学生本人はよく頑張ったと思いますが、指導によってその良さを伝えることができなかったと反省することになりました。また、グループからの全体講評への選出も1名のみとなり、私の指導力不足を痛感することになりました。

建築学科等の設計演習はとても独特な実習です。広島工業大学では各先生が担当するグループはそれぞれ20名程度の学生が割り当てられ、授業でのエスキースチェックにおいて学生と対話しながら進めていきます。昨今の若者はコスパ・タイパを重視するといわれますし、学生と接しているとそのような傾向を感じます。一方、設計演習にはとても大きな時間とエネルギーが必要で、学生のやる気・力量・想い・状況は様々です。

私自身の学生時代では、設計演習に一生懸命取り組みはしましたが、まだまだ建築に対して勉強不足であり、「何をしたらいいのか」「何が良い建築なのか分からない」という状態のままただガムシャラにやっていた気がします。勿論評価も十分にもらえず、先生からは「設計できない」と烙印を押されていました。それでも頑張れたモチベーションが何だったのかは自分自身もよく分かりませんが、頑張った充実感はあったように思います。

折角、多くの時間と大きなエネルギーをもって取り組むものなので、それらに対してのパフォーマンスとして「楽しい」「面白い」「充実している」「意味がある」と感じられるようにしたいと思っています。この設計演習を介して「建築って面白い」と感じこの先の各々にとってプラスとなるようになるように努めたいと思います。


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