こだわりを理解してもらえるとき

現在進行中の工事現場での話。

私が好んで使用する建材で化粧ケイカル板 DICフネンソリッドカラーという製品があります。

化粧ケイカル板のメーカーにはいくつかありますが、この製品は色味がよいという利点と何よりジョイントや端部に使用するジョイナーがケイカル版の全50色に対応しているため、端部やジョイント部を含めて一体的にスッキリ見せることができるものです。

一般の化粧ケイカル板の場合ジョイナーは金属色しかなく、どうしても色を合わせるためにはジョイナーを塗装工場に運んで塗装する必要があり、手間とコストがかかってしまいます。

今回、実施設計図にてトイレの腰壁などにこの製品を指定していましたが、現場からは使用したことがないという理由で少し使用を渋られました。とは言ってもこだわりの製品ですし、図面にも記載していますのでこれまで取り扱いはなかったものの使用をしてもらいました。

で、出来上がった状況を見て職人さんたちが、「うん、確かにスッキリしていいね。」「出来上がるとこの製品を使いたい理由がわかるね。」と。

何気ないことですが、とても嬉しいことです。

普段使っている製品や材料ではないかもしれない。

いつもの納まりや大きさじゃないかもしれない。

でも、そこには設計者として思いや意図があってのことであることを理解いただいたように感じます。


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