八角平面で光と空を取込む方形屋根の納骨堂

郊外幹線道路沿いの浄土真宗の寺院境内に檀家のために計画されました。現在から未来にかけて恒久的に存在する建築として耐火性・耐水害を高めながら、郊外都市部の周辺環境と木造の既存建物と調和する納骨堂です。

納骨堂は納骨壇のレイアウト上使い勝手が悪いコーナー部分を開口部とした八角平面とし、方形屋根の間のT型窓によって納骨堂内に光と空を取込み、軒の深い陰影ある外観を生み出しています。

①　不必要な工事削減、単純化、高さの最小化により工期短縮・コスト抑制

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a.既存倉庫と同じ範囲に計画

計画地周辺には数mの高さの既存樹木が林立しており、それらの根が地中の障害となることが懸念されました。地中障害ができる限り少なくなるよう、樹木側は既存倉庫と同じ範囲に建物を配置しています。

b.スパンを短くし、梁成を抑え階高を抑制

構造は壁式RCを採用し、1階は十字型の平面によってスパンを短くして梁成を抑えて階高をできる限り小さく抑えることで建物高さを最小化しています。

c.最小限の離隔寸法を確保の上、最大限の平面形状を確保

d. 必要十分な天井高さの確保と階高設定

境内既存建築物との調和や県道交差点から景観を考慮し、できる限り階高を抑え、分節した外壁と張り出したシャープな屋根によって圧迫感を抑えた計画とします。階高抑制は外装面積を小さくすることでコスト縮減にも寄与します。

e.メンテナンスが少なく、エネルギー消費を抑えた材料選択

屋根材は軽量でメンテナンスが少ない耐候性が非常に高いステンレス亜鉛メッキ屋根としています。ステンレス亜鉛メッキは鈍く光るグレー色の材で、瓦屋根と調和します。空調機を設置し、安定した温度環境が望まれる2階（納骨室）ではコンクリート外壁の外側に断熱材を施した外断熱工法を選択し、その上に木パネルを設置し、空調によるランニングコストを抑えます。

②郊外都市部の周辺環境と境内の既存建築物に調和したバランスの取れた外観

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a. シンプルな平面形状を積み重ねた特徴ある外観

機能に則した各階の平面形状（1階：十字型、2階：八角形）を積み重ね、その上部に方形の屋根を載せた構成により、特徴ある外観とします。

b.郊外都市部の周辺環境と境内の既存建築物に調和した、バランスの取れた立面

今回計画はRC造2階建ての建物であり、その立面においては外壁が支配的になります。耐火構造のコンクリート外壁に既存建物と調和する同系色の木パネルを設置します。軒のある屋根と共に都市型でありながら、既存木造建築物と調和した立面とします。

③高齢者も使いやすいスムーズなアプローチと災害から守る建物構成

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a.スムーズなアプローチを実現する建物構成

北側駐車場からも境内からもアプローチしやすい東側にエントランスを設け、北側駐車場からはブリッジ、境内からは階段によりアプローチします。構造は壁式RCを採用してスパンを抑えて階高をできる限り小さく抑え、車椅子利用者も利用可能なブリッジと昇り降りしやすい階段によってスムーズなアプローチを実現しています。

b.収納物を守る建物構成

1ｍ以下の浸水の恐れがある当地域において、遺骨を納める納骨堂は２階に配置します。また、耐火構造であるコンクリートを壁・床など主要構造部に採用し火災に強い建物とします。

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