ひろしま街づくりデザイン賞 2014 応募作 -ヨリミチ都市ひろしま-

ゆっくり、ゆったり。
広島がもっと、魅力ある街になる。

これまでの街づくりは道路整備や大規模商業施設の集積、インターネットの普及によりその物理的距離の短縮を目指したものでした。
手段はより高速化し距離は短縮され、その間にあるものは全てオミット。
そこにはたくさんの魅力があるにもかかわらず・・・。

ゆっくり散策すれば見えなかったものが見えてくる、新しいものが見えてくる。

路面電車と川面ボードウォークを利用したスローダウンな街づくり。

できるところからスタートしよう。植物の成長のように中心の無い街づくりはやがてつながり、ネットワークを形成する。

-ヨリミチ都市ひろしま-

多くの「ヨリミチ」が広島をもっと、魅力ある街にする。

人の流れを生み出す路面電車の環状化

広島には路面電車がある。

街並みの中でゆっくり走るその姿は広島の景色を彩りある豊かなものにしてくれる。
路面電車の環状化(宇品-江波間の接続、市内中心部の環状路線の追加)で形成される2つの環状路線は街に新たな人の流れと賑わいを生み出すことになるだろう。

商店街の空き地を利用した路面電車博物館構想

商店街にできてしまった空き地。

そんな空き地を「路面電車展示空き地」として活用する。

芝生化し、引退電車を活用したオープンスペース(休憩所、カフェ、レストラン、遊具など)として整備してイベント(路面電車スタンプラリー、ミニSL、お祭りなど)を開催することで商店街に再び賑わいと活気を取り戻す。
同時に子連れ親子の憩いの場やこどもの遊び場として商店街に若い世代の居場所を確保することが可能となる。
また、芝生手入れなどの整備は商店街組合自ら実施すれば商店街内のコミュニケーションも活発化することができる。

これは街全体、各商店街の空き地が展示室の「路面電車博物館」である。


足早に通り過ぎて行った商店街も、商店街の中に魅力ある余地・余白を生むことで、人の流れに淀みが起こり新たな対流を生み出すことになる。

「川の街」が際立つ川面ボードウォーク環状化

豊かな水量を誇り、緩やかに流れる太田川。
水辺の遊歩道を整備して、水に近づくだけでは物足りない。

水に乗り、潮の干満を感じる牡蠣筏のような川面ボードウォーク。

川に沿って広がり、つなぎ、海に伸びる。
折角、整備されてきた遊歩道も幹線道路で分断されては効果半減。
橋の下を川面ボードウォークでつなげてスムーズに。

ゆるやかなに流れる水面にあわせて、歩く、走る、自転車に乗る。

そんな移動が新しい景色を生み出す。

川面ボードウォークで生まれる様々な出会い、発見

「日曜朝市を開催…」人がにぎわうマルシェストリート、
「神楽を演舞…」人々が集い楽しむ水上イベント会場、
「ゆっくり読書…」水のゆらぎを感じる水上カフェ、
「夏休みの自由課題は水生生物観察!…」川の中の生き物が眺められる窓(デッキ下水族館)、
「仕事帰りにランニング…」市街地や路面電車からアクセスしやすいランナーズステーション。

そんな仕掛けが川面ボードウォークで様々なアクティビティを誘発する。

水面で発生した活気は、川を媒介につながり街全体に波及するだろう。