シミュレーションを活用:HO邸リノベーション

築35年程度の既存住宅のリノベーション。

屋根に新たにハイサイドライトを設置して、直下の吹抜け階段を中心とした間取りへの変更を特徴とした提案において

夏暑く・冬寒い家を改善するための

  1. 断熱化の効果
    • 冬季の温熱環境シミュレーション
  1. ハイサイドライトの設置による効果
    • 中間期(春・秋)の風環境シミュレーション
    • 夏季夜間の温熱環境シミュレーション

を実施、それぞれの効果を設計に生かしている。

① 断熱化の効果

既存建物は床下:断熱材無し、壁・天井:グラスウール50mm、開口部:単板ガラスとなっており、開口部などからの多くの熱の出入りによるエネルギーロスと不均一な室内温熱環境(底冷えなど)となっていた。

床下:断熱、壁・天井:断熱補強、開口部:カバー工法・ガラスアタッチメントによる複層ガラス化により建物全体の断熱性能を高めた。それにより、室内の温熱環境が如何に改善されるかについてシミュレーションしている。

↑暖房シミュレーション

外気温5.3℃、リビング・ダイニングの暖房シミュレーション。室の広さが広くなっているが同じエアコンを想定。(上が既存住宅、下がリノベーション後)既存住宅は上下温度差が著しく発生し、居住空間が暖まらないことが分かる。断熱・サッシ改修によって同等能力のエアコンであっても室内は一様に暖まることが予測された。

②ハイサイドライトの設置による効果

↑無風下における自然換気シミュレーション(室温)

中間期(5月)無風下での自然換気による室温シミュレーション。ハイサイドライトがない場合、日射等で暖められた暖気が2階廊下に滞留し室温を上昇させている。ハイサイドライトにより暖気が排出されていることが分かる。

↑有風下における通風シミュレーション(風速)

中間期(5月)有風下での自然換気による風速を示している。どちらも1階の主要な窓を開け通風を確保しているが、ハイサイドライトを設置した方がより多くの風が抜けていく(風速が大きい部分が多い)ことが分かる。

↑夜間無風下における自然換気シミュレーション(室温)

夏季の夜間無風下において自然換気時の室温シミュレーション。人体発熱による室温の上昇について通風による排熱効果を検証している。上:改修前(ハイサイドライトなし)、下:改修後(ハイサイドライトあり)。中央の室について状況が大きく改善されることが分かる。

↑シミュレーションを実施したリノベーション:HO邸リノベーション

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