建築のデザインにおいてとても重要なディテール。建築家はデザインする建築において、そのディテールまでこだわってデザインを実現しています。ここでは建築家として目指すデザインを実現するために熟考を重ね、設計協力者や施工者・メーカーと協働の上に実現したこだわりのディテール例を紹介します。
前回はガラスカーテンウォールについて

今回はサッシを含む外壁の開口部廻りついて。複数の建材が取り合うことで発生する納まりについて、いかに機能・意匠の両面について良いものとしていくか力を注いでいく部分です。
開閉部が分からない同一面のサッシ
築40年以上の鉄筋コンクリート造のオフィスビルのファサード改修にて採用したサッシのディテール。メイン道路側のファサードは全面ガラスカーテンウォールに改修したが、サブ道路側は自然排煙のために開閉型のアルミサッシとしている。

従前のサッシは、通常の腰壁高さ(H=900mm程度)の片引きサッシであった。改修では腰壁高さをH=400mm程度として、外壁の軽量化を図り、明るく開放感のある内部空間としている。
アルミサッシは、可動部とFIX部が交互に連続するが方立の見付幅は統一され、ガラス面も同一面となっている。可動部は内側に引込まれた後に横にスライドする機構で、開いてなければすべてFIX部に見える。


腰壁はアルミリブのスパンドレルが連続し、メイン道路側のガラスカーテンウォールに滑り込むデザインとなっており、シンプルで統一感あるデザインとなっている。


PCの厚みをみせた換気スリット付のサッシ

上記のサッシと同じように可動部とFIX部が交互に連続するサッシであるが、よりシンプルなサッシとして、可動部とFIX部の面が異なるものとしている。これは、特殊な駆動金物を使用せずシンプルにすることでコストを抑えながら、よりマクロな観点で捉えたデザインを試みたものである。

サッシの上下は厚みを感じさせる(抱きのある)プレキャストコンクリート(PC)板であり、PC面から大きく段差を付けることでガラス面の段差を感じさせにくくしている。抱きを持たせた納まりでは、アルミサッシの上部の框を利用した換気用のスリットを設け、ガラリを設けるよりもコストを抑えながら、ベントキャップを用いるよりもスッキリと外壁面での給排気を行えるディテールとしている。


室と室の壁との取合には金物によって仕切りを形成し、ロックウールを充填することで室間の遮音に配慮したディテールとしている。

構造アウトフレームを活かした端正なコンクリート格子

外壁廻りの柱を鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造、内部の柱と梁を鉄骨(S)造として内部オフィス内の柱を最小限としたロングスパンとなるよう計画している。

外壁廻りのSRC柱はオフィス内レイアウトにおいて柱が制約にならない様にオフィス内から追い出しアウトフレーム化し、SRC柱のコンクリート面をそのまま外壁仕上としている。腰壁まで立ち上がったコンクリートの床スラブとその間に設置した日射制御のGRC庇を同様のディテールとして、柱間に挟まれ、階高を2つに分割した格子が連続するプロポーションの良い端正なコンクリート格子としている。




構造アウトフレームと庇による格子によって、内部のオフィスはかなり良好な光環境と大きなガラス面による開放的な視界を獲得している。

次は「外壁廻りのディテール」。よろしければ続けてご覧ください。

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