地域活性に寄与する国の合同庁舎。市が整備する前面広場に面して連続する庁舎へのアプローチとなるオープンスペースを配置。庁舎のエントランスホールは休館時も独立して開放できる工夫をしている。
□要望
①複数の省庁が利用する合同庁舎/②まちの活性化へ寄与する施設/③自然通風が可能な施設
□課題
①前面広場との一体化/②様々イベントが開催できる前面広場のしつらえ/③市民と共に創る
① 内部空間と連続するL型の広場空間
前面の広場公園と一体となったL型のオープンスペースを確保し、これらに面してエントランスホール・情報コーナーを計画。広場に面した低層部外壁は透明性の高いガラスカーテンウォールとして視覚的な連続性を高めている。また、エントランスホールは階段を含んだ2層の吹抜け空間となっており、開放的で賑わいのある空間となっている。
② 広場に舞台と日よけ・雨除けのキャノピー(庇)の設置
庁舎は国、広場公園は市発注による工事であったが、庁舎と広場公園を一体的なデザインとなるように計画し、建物内部と広場公園が連続して一体利用できる構成となっている。広場公園には舞台を設け、前面道路を庁舎を繋ぐイベント空間として活用できるように計画されており、道路を挟んで面対する文化施設の広場と共に、祭りやイベントなどに活用されている。
③ キャノピー(庇)下に児童の絵画を設置
駐車場とエントランスと広場を繋ぐキャノピー(庇)下の列柱には地元の児童たちの絵画を設置している。サインは市民参加によるワークショップを進め、筑波山を表す「紫峰」をテーマカラーに計画されている。
④ 地域性に調和した意匠
地域の家々や蔵の土壁、板谷波山の焼き物の釉薬など地域を捉え、全体として彩度を抑えた落ち着いた色あいと柔らかみのある表情の建物としている。
用途 :庁舎
規模 :地上5階/地下1階
構造 :鉄筋コンクリート造
延床面積 :4,730㎡