O台週末住宅プロジェクト

北側外観

計画コンセプト

囲う

建築物は元来、外敵や厳しい自然から身を守るためのシェルターです。本計画では先ず、敷地に壁で囲まれた内部空間をどのように配置するかを考えました。

1)L型の平面形状
直角三角形のような敷地に対して、景色がよく、良質な光環境となるメインヤードを確保するため、L型平面の平面形状としました。L型平面の建物と既存ウバメカシによりプライベート性の高いコートヤード(中庭)のような外部空間を創出します。

2)居室空間を守るユーティリティブロック
道路や近隣住宅に面した北側・西側には倉庫や水廻りを集約し、居室空間を守るバッファとなるようブロック状に配置します。これらは同時に西日や北風などの厳しい環境から居室空間を守ります。

開く

次に、囲われた内部空間をそれぞれの外部との関係から開口を設け開きます。

1)メインヤードに対して大きく開く
プライベート性の高いメインヤードに対して内部空間を大きく開きます。

2)道路や近隣住宅に面して小さく開く
道路に面した北側・西側は視線を通さない高さのハイサイドライトにより小さく開きます。
また、北西コーナー部には縦スリット窓を設けます。

繋ぐ

適材適所に設けた開口部は様々な外的要因を適切にコントロールして内部に取込み、内部と外部を繋ぎます。

1)自然と繋ぐ
メインヤードに面した窓からは庭の木々、東側に広がる池を含む景観、海へと続く大きな空などが望め、家の中は敷地周辺に広がる豊かな自然環境と繋がります。
また、庇によってコントロールされた太陽光と煙突効果によって促された御宿の心地よい風を家の中に取込みます。

2)街と繋ぐ
小さく開いた窓からは内部の光や雰囲気が洩れることで包み込まれながらも街に対して完全に孤立しない空間とします。
また、北東側をメインエントランス、南西側を通用口として街と内部と庭を繋ぎます。

用途   :戸建住宅

規模   :地上1階

構造   :在来木造

延床面積 :146㎡

計画地  :千葉県