模型をつくる 続編 ~完成模型・検討模型・コンセプト模型~

完成模型

一言に模型をつくるといっても、その目的は様々です。

建物が出来上がる形を一つの作品として作成する「完成模型」。

公共施設ではそのロビーに展示されているものを目にすることがあるかと思いますが、完成したものを完成形を忠実に再現し、それ自体が作品として建物完成後も展示されるものが多いと思います。

バブルの頃は完成模型をつくることも多かったように感じますが、最近では「完成模型」をつくることはあまりなくなったように思います。

この場合、多くの場合模型屋さんと言われる模型製作専門の方に製作を依頼します。

検討模型

私たちが事務所内で作成する模型のほとんどは「検討模型」。

検討したい内容に合わせたスケールで、都市計画的な視点からディテールまで様々な検討のために作成します。

プロジェクトのよってはS=1/1で実際に使用する材料を用いて作成するモックアップによって、実物大で検討する場合もあります。2020年のオリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場でもモックアップを製作していることがニュースになっていましたね。

日刊工業新聞電子版
JSC、「新国立」の実物大模型を公開−大庇、木目調美しく 日本スポーツ振興センター(JSC)は、2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場で建設中の新国立競技場について、一部の実物大模型(モックアップ)を報道陣に公...
モックアップの例。
実際に設置する位置に持ち上げて確認している。

コンセプト模型

共通理解や相手に伝えるため製作する「コンセプト模型」。

正しい形や現実的な納まりは別として、建物の考え方や構成などを表します。

「細かい話は置いといて、言いたいのはこういうこと」という感じ模型です。

建築は現実的な課題を一つ一つクリアしていく必要がありますが、これらを逐一表現すると複雑になって伝わらない。

伝えたい内容を分かりやすく絞って作成するもので、特に設計の初期段階で製作することが多いと思います。

最近ではCGがより使いやすく精度の高くなったため、実際の見え方の完成予想という意味ではCGを活用していますが、模型による理解というものも変わらず重要に思います。


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